じいちゃんが倒れたので、両親とともに旭川まで見舞いに行きました。
事前には安定していると聞かされていたのだけど、いざ見舞いに訪れた僕たちを待っていたのは、黄色くやつれた姿でした。
視力も聴力もおぼろげで、苦しそうにうめき声を上げるたびにばあちゃんが言葉をかけ続けてました。
その後、担当医から説明があり、じいちゃんが現在齢九十歳にして肝臓がんを患っている事が告知されました。
いつ急変があってもおかしくない状況、との事です。

じいちゃんはここ数年、家族からも死期を案じられていた。いざこの局面でがん告知を受けるというのは、予期されていた近い未来のことを確実な死の宣告という形に置き換えただけの事でしょう。現状の体力もほぼ限界、寛解を目指す手術は難しい状況下。ただ苦しみを和らげる配慮を願うばかりです。

不思議と、家族も親戚も、誰一人泣いてはおりません。
癌である事実および、症状に対する対症療法なども明白であることから、じいちゃんがまた意識を取り戻す可能性もあるでしょう。
奇跡があれば、もう一度くらいは温泉などの旅行に連れていけるかもしれない。

僕には「お大事に」としか言えないし、ばあちゃんに頑張ってとしか言えないんだな。
子供の時にラジコンの操作方法を教えてくれたじいちゃんの事は忘れられない。
九十歳か。長生きしたよね。
でももうちょいとだけ、なんか奇跡が起きてほしいなぁ。


あ、後期高齢者医療制度についての手続きをばあちゃんに説明してなかったのは疑問を感じたぞ。旭川某大病院さん。市役所行け、で済ますのも仕組み上は仕方ないのかもしれないけど、パンフくらい備えたり説明できる人を確保するくらいはしておいて欲しいものです(※病院によるそうだけど。お袋の勤める札幌某小病院ではケースワーカーがやってくれるそうで)。
親父と手続きの現場に付き添ったけど、手続き自体はものすごく簡単なのね。
うちのばあちゃんみたいに、入院費一定額免除のことを知らなかっただけで損する事になっちゃうよ。
ここで制度自体にどうこう言う気はないけど、現場で戸惑っているお年寄りにもう少し気を配って欲しいなぁ。