Blender2.5のUI、良くなったといっても手放しで褒められるものではないと思う。
先日ようやくBlender2.5α2に移行しました。やや安定度に欠けますが、レンダリング速度が見違えてるので、映像の3Dエフェクト制作に活用してみてます。
過去のカオスな「ボタンウィンドウ」が整理されて「プロパティウィンドウ」に進化。ものすごく見通しが良くなりました。新たに学ぶユーザにとっても、今後のBlenderの機能追加の礎としても、とてもいい仕事をされていると思います。
続きにちょい長めのチラシの裏。
しかしあれですね、今回のアップデートは過剰に期待され過ぎなんじゃないかと少々心配になったり。
ボタンウィンドウを始め色々な部分がスマートになったのは確かですが、根本的に変わってないところも沢山あるわけで。
相変わらずユーザにデータ構造把握をやたら要求する設計ですし(※OB:とかMA:とかME:とかの謎略称が一掃されたので、見た目上の把握しやすさはだいぶ改善しましたがw)、一般的なコピペ処理もしにくい状態なのは変わってない。標準のライブラリアン機能が不在なのも面倒で、オブジェクトやマテリアルひとつ使い回すのにもユーザ側の工夫が必要な状態。ビデオシーケンス機能周りも、相変わらずあきらかに他のUI文脈から浮いてます。
まだまだ課題が多く、新規ユーザーにやさしいUIとはいえないんじゃないかな。2.5の最初の成果としてカオスなボタンウィンドウ整理にフォーカスしたのは現実的な落としどころだと思いますが。正直それでも詰め込み過ぎだと思うけどw
次期安定板と告知されている2.6までにどこまで改良されるのか、楽しみではありますが、期待しすぎるのも酷かもですね。
ちょっとBlenderのUIの歴史を懐古がてら、Blender.orgから旧バージョンを拾ってみました。
下記はBlender ver1.8をWin7(64bit)上で実行。(windows用最古バージョン1.6は起動せず。残念)
いや、改めて見るとほんと酷いなw ボタンや数字が並んでるけど説明皆無。なんかの暗号かと思いますw
おいらが初めて触ったバージョンがこのver1.x世代だったんですが、当時はほんと右も左も判らなくて泣いたものでした。そしてしばらく放置してた。
こちらはBlender2.04。大差ないな。最新安定板2.49とあまりバージョン番号に差はないけど、あらためていまのBlenderとは別物だなと感心します。
その後、Blender開発会社が潰れてオープンソース化までのごたごたが挟まって、2.3でモデリング周りが急速に強化されて、2.4でUIが大幅に進化――という流れを汲むわけですが、この辺のUIの変遷はBlender.jp様のリリースノートで懐古したほうが早いですね。今思うと2.4でのUI作新もかなり劇的な進化だったなぁ。でも結局、例によって節操無い機能追加のおかげでどんどんタブ増えて困ったことになっていった訳だがw
尋常じゃない速度で高機能化してゆくソフトウェアのUIを、コンパクトにまとめ続けるBlender開発陣の意欲には頭が下がります。少々コンパクトさにこだわり過ぎじゃないかとも思いますが。
まだ当面2chとかでは変態UI呼ばわりされ続けるのかもしれませんが、それ以上に惚れ込める要素たっぷりなBlenderを今後も応援したいと思います。
マウスフォーカス+G/R/Sキーで弄り倒せる操作性は、一度ハマると効率良くて病み付きになるんですよね。個人的には、画像編集ソフトウェアでも同じ操作性用意して欲しいくらい。まあたしかに変なUIですけど。
これからBlenderを学ぼうとされている方々には、2.5はお勧めだと思います。クセはあるけど。
……ところで2.5α2、ラジオシティ機能はどこ行ったのかしらw
あのパネルも混乱を呼ぶUIだったからな。2.5系でどうなるのか別の意味で楽しみです。