学習曲線はどうだろ。

「慣れたら使い易いソフト」および「慣れなくても使い易いソフト」を、みっちり一年間修行して習得した場合に、表現のためのスキルはどちらが高くなるだろう。
……だめだ。これだけじゃ、何も想像できやしない。理由は単純で、「慣れたら効率が高くなるソフト」と「慣れても効率が高くならないソフト」という軸が他にあって、この二つは先の二つと相関してないからだ。その好例はweb屋を通していくらでも見ている。とっつき悪くても、コマンドラインによるGrep検索の手法を一年学んだら、とっつきやすいWindows標準の検索機能の効率なんか足下にも及ばない。webアプリ開発が絡むと、エディタ+CSS+画像編集ソフトで代表的なデザインパターンを表現することに慣れた奴の方が、Dreamweaver+画像編集ソフトよりも軽快に立ち回れるものだ。

Blenderは慣れたら妙に効率がいい。しかし、頭打ちがある点は否めない。単純に、プロダクション向けの機能はまだまだ外部アプリに依存せざるを得ないという現状がある。レンダーデーモン然り、Sequenceの限界然り。まだまだ合成にはNiVEやJahshakaなどの併用が望ましいだろう。本音はAfterEffectが欲しくなるくらい。
一方、限界を納得して使う分には「バッドノウハウを少なくするための進化を続けている」優秀なソフトである。
Blender内部にグッドラッパーが必要なことを認識して、変更を躊躇わない姿勢は「バッドノウハウと奥が深い症候群」で挙げられたツールとは違う姿勢だ。